ボアホール電極を使ったセンサー観測システムは、地滑りのモニターとして応用が可能。「保水量変化の検出」に関して大きな役割を果たす。
日本に土砂災害が多いのは“雨が多い、雪が多い、山地が多くもろい地質の山が多い、川は急流が多い、地震が多い”など様々な地理学的問題があるが、近年の巨大台風、ゲリラ豪雨などによりその被害は大きく、危険性は巨大地震と同じく緊急課題の一つである。
本プロジェクトでは、地震・火山、地滑りの短期予知の手目考案された方法を組合わせて地滑り発生をモニターするシステムを開発する。
【ボアホールによる地下水流動・地滑りの微小変位の検出】
新しい方法として、ボアホール用のスティールパイプをアンテナのものポールとした地中アンテナによる、地滑り計測方法を開発する。
本方法は地震・火山噴火の予測に使える現象を探すべく、電磁気な手法によって1989年から2002年までの13年間、防災科研・旧電波研で観測研究を行っていた。計測方法は、深層井(ボアホール)の導電性ケーシングパイプを使った地中アンテナによるもので、観測データによって地震や・火山噴火の事前の地殻活動および間隙水の移動を捕捉できる(特許)。2010年からは、JSTによる「超リアルタイム地震情報に関する調査」の一環として、高感度観測装置を開発し、茨城県神栖市(旧波崎町)で野外観測を2011年3月3日から行っていた。M9.0の巨大地震が発生の前後のデータ解析の結果、3月11日の前後に特徴的な現象が発生したことを確認できた。本方法が実用的な地震・火山噴火・地滑りの直前予測技術の確立に役立つ前兆現象を同定したと判断される結果となった(特許、特願2012-066689,藤縄幸雄)。
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